贅沢をしているつもりがないのに貯蓄ができない。
貯めているつもりなのに口座残高は増えていない。
そんなことはありませんか?
本当に貯蓄ができているのかどうかのチェックや、貯められる家計にしていく為のステップについてまとめました。
まず、お金の流れや、実際にいくら貯められているのかをチェックしましょう
ここのところキャッシュレス化が進み、クレジットカード等の利用も増えてきていますね。毎月、または毎年どこからどのようにお金が動いているかがわからなくなっていませんか?
急な出費があったときにとりあえずお金を口座から引き出した、カードの支払いが近づいてカード口座にまとまった額を入金したなど、突発的にお金を動かしていると、一体いくら使っているのか = お金を実際に貯められているのかを把握することが難しくなります。
把握できていない場合は、一度、1ヶ月かけてお金の流れを確認し、どのくらい貯められているのか計算してみましょう。やり方は簡単です。
- (1) 月初にすべての銀行口座の残高、財布に入っているお金、家に置いているお金の額を確認し合計しておきます。
- (2) その月の収入額(手取り)を確認します。
- (3) その月使ったお金を全て記録します。
※ 家計簿がなくてもOKです。レシートをそのまま置いておくのと、レシートがない出費は何にいくら使ったかメモしておきます。クレジットカードの明細はまとめ、口座引落は額をメモしましょう。そして月末に、その月使った額を合計します。
- (4) 月末に、(1)と同様にもう一度銀行口座や手持ち現金を合計します。
(2)-(3)の額がその月の収支になります。
プラスであれば貯められていることになりマイナスなら要注意!貯められていないことになります。
さらに(1)-(4)を計算してみましょう。
その差額が先ほどの(2)-(3)の額とほぼ合っていれば問題はありませんが、大きく違いがある場合は「使途不明金」があるということになります。
使途不明金が発覚した場合、更にもう1ヶ月同じように出費を記録しましょう。
この時「使途不明金が○○円あったな」、ということを頭の隅に置いておくことが大切です。そうすれば1ヶ月後には、使途不明金だったお金が不明ではない出費として計算されているか、使途不明金自体が節約され、収支が改善されているはずです。少しの意識づけが、意外な効果をもたらすことがあります。
また、この確認の方法は月単位で計算するものです。サンプルになる月に偶然支払いが少ない可能性もあります。もっとしっかりと収支を把握したい場合は、ボーナスの入金や年払いで支払っている費用、季節的に支払っている費用(子供の長期休暇中の習い事やイベント、帰省など)車の車検代の年割などを加味して年単位で計算してみると良いでしょう。
いくら貯めるのか?予算を立ててみましょう
収入のなかから、とりあえずは必要なお金を使って、もしお金が残ったら貯金しようと思っていませんか?
実はそれではなかなかお金は貯まらないのです。先ほど計算してみた収支をもとに、いくらぐらいなら貯められそうか考え、まずは出来そうな貯蓄額の範囲で予算を立ててみましょう。はじめから厳しい節約を目指さないことが長続きのコツです。
月々の収入から○万円貯めるという考え方でも良いですし、ボーナス額が安定しているなら、ボーナスには手を付けず全額貯蓄に回したうえで月々以外の出費も月の手取り収入の範囲におさめるという考え方でも良いです。具体的な金額を決めて意識することが大切なのです。
貯められる額を増やしたい、節約にチャレンジしたい場合は、次のことに気を付けてみましょう。
《 家計を見直すなら 》 まずは固定費からがおすすめ
毎月の家計の支出は大きく固定費、変動費に分かれます。
住居費・水道光熱費・通信費・保険料・子供の学校教育費・習い事など
食費・日用品費・交際費・交通費・医療費など
なぜ固定費から見直すのが良いか、その理由には
・ 固定費は変動費に比べ、見直せる額が大きい
・ 一度見直せば、効果が続く
・ 変動費、特に食費などは、節約するとストレスがたまりやすい
などが挙げられます。
固定費の見直し項目で代表的なものはこちらです。是非検討してみましょう。
● 住居費:賃貸の場合の家賃交渉や住宅ローンの借り換え
● 水道光熱費:電気料金の見直し(自由化による契約会社変更やプラン見直し)
● 通信費:スマートフォンの格安SIM利用や料金プラン見直し
● 保険料:保険契約の見直し
《 家計を見直すなら 》 変動費は買い物に工夫を、整理整頓も効果あり
変動費の見直しのポイントは次の2点。
・ 大きなムダ使いはしっかりなくす
・ 生活の質を落とさない、無理な節約をしない
無理をするとストレスをため、体調も崩しがちになり、逆に医療費がかさんでくることもあり得ます。
▼ 変動費の見直しでできることの例です。
・ 外食を少し減らし、その分、家での食事の食材を良いものにする。
・ 趣味のものや嗜好品などは「買わない」と決めるのではなく、小遣い額を予算化するなど限度を設定してその中で使う。
・ 洋服や消耗品でない日用品は安いから、という理由で買うのをやめる。
質が良くて気に入っているものを長く使う方が実は節約につながることを意識する。
また、買い物に工夫をすることによって少しづつ無駄を省くことができます。
・ 今すぐ必要でないけど買いたくなったものは、すぐに買わず、一度帰って再考する。
・ クレジットカードの引き落とし口座に多額の入金をしない。
・ 財布に1ヶ月分の予算全額を入れない。1週間分など小分けにして、使っている額を把握できるようにする。
そして、家の中の不用品を思い切って処分したり、整理整頓をすることも効果があると言われています。
・ 物を整理することで、不要な日用品や食品のストックの買いすぎを防ぐ。
・ 気持ちがすっきりし、買い物でストレス発散をしなくなる。
・ 財布の中身も整理することによって、お金の流れもすっきりすることにつながる。
貯蓄方法を考えましょう
家計を改善し、お金を貯めることができる状態になってきたら、貯蓄の方法を考えてみましょう。
よく言われているのが、「先取り貯蓄」という方法です。
収入が入った際、まず貯蓄分を別の口座等に移し、残りでやりくりしていくというもので、確実に貯蓄ができ、大変効果的です。自分で口座から別の口座に貯蓄分を移動するのも良いですが、銀行の「自動積立定期預金」を利用すれば、自動的に給与口座から別口座に積み立てられるのでとても便利です。
また、会社員の方でしたら会社の財形貯蓄や社内預金などの制度を利用するのもおすすめです。
さらに、この機会にお金の流れを把握するだけでなく、整理してみるのはいかがでしょうか。あまり使わない口座を整理して散らばっている預金をまとめたり、生活用と貯蓄専用の口座に分けたり、クレジットカードの支払いもまとめたりと、すっきりすれば家計も把握しやすくなり、運気も上がるかもしれませんね。
あと大切なのは、予算を立てるだけでなく、実際どうだったかを振り返って新たな予算を立てることです。毎月振り返ることが辛ければ、数ヶ月に一度でも良いのです。
貯蓄額は少しづつ増やす、あまりに苦しければ少し減らすなど、無理なく決めていきましょう。最初は、「貯められそうな額を貯める」だったのを、「貯めたい額に向かって計画的に貯めていく」に変えていくことが目標です。
ここまでできれば、楽しみながらお金とのお付き合いができるようになるでしょう。