投資

投資で失敗するのはなぜ?投資初心者は対策を学んでから始めよう

投資には興味があるけれど、失敗するのは怖い。そう思って最初の一歩が踏み出せない人は多いのではないでしょうか?しかし、慎重に投資を行えば、そう大きな失敗をすることはないはずです。投資で失敗するときのありがちなパターンと、その回避法についてご紹介します。

そもそも投資の失敗とは?


投資における失敗の定義とはなんでしょうか?成功も失敗も主観的なものなので、「いくら儲けたから成功」「いくら減らしたから失敗」などと決まっているわけではありません。ただ忘れてはならないのが「損=失敗」ではない点です。いっとき成功しても、後に損を出すことはありますし、少額の損をしながら最後に大きく利益を出すケースもあります。

大切なのは、短期間で損得を判断せず長い目で考えることです。損をしても失敗から学べばいつか挽回できるでしょう。一時的に損をしても投資を投げずに続けることで、失敗も「高い授業料」とすることができます。その意味では、投資を継続できる程度の損なら、失敗ではないといえます。本当の失敗とは、損が積み重なり、投資を継続する資金が枯渇することを指すといえるでしょう。

投資のタブー

なお、ここでいう投資資金とは、生活費とは別の余剰資金と考えます。もしも生活費も投資に充ててしまうようなら、それはもはやギャンブルであり、投資とは別物です。投資資金と生活費の区別をつけられない人は投資を避けるべきです。

投資の失敗を回避するための大前提と対策

投資を行う前の心構え

投資初心者は手元資金を使って投資を始めるのが鉄則です。FXや信用取引など、手元資金以上の取引ができる投資を行わないようにしましょう。なお、借入れ(不動産投資ローン)が一般的な不動産投資の場合は少し別です。抵当権が設定されるとはいえ、不動産の所有権は手に入るので、万一の時は不動産を売却することで返済に充てることも可能だからです。

対象の投資を勉強することも、もちろん大切です。仕組みとリスクをしっかり理解したうえで投資を始めましょう。

一括投資は避ける
特定の銘柄や商品に資産を集中させるのはNGです。どんなに安全と思える投資でもリスクはゼロではありません。もしその投資先が駄目になると、資産全体にマイナスの影響が生じてしまいます。「株式や債券など投資対象を増やす」、「通貨や投資地域を複数にする」などして投資対象を幅広くしておきましょう。
お金についてはしっかり者 ナオコ
私は株式投資を考えていました。株式の銘柄を選ぶだけでも大変なのに、さらに債券や外国の投資商品まで考えるのですか?
分散投資が大切なのはわかりますが、国内だけでなく国外の投資にまで目を向けなければいけないのでしょうか?
外国の経済状況まで勉強する余裕はない気がします。
資産運用アドバイザー モリウチ
まず、「日本株しか買わないから世界経済の勉強はしなくていい」という考え方は誤りです。日本経済も世界経済の一部ですから世界経済の影響を受けます。
お金についてはしっかり者 ナオコ
・・・わかりました、勉強はしなければなりませんね。
でも、やはり外国の商品や外貨に投資するのは怖いです。
資産運用アドバイザー モリウチ
怖いと考えるなら、無理に行う必要はありません。しかし実は、単一の投資先に限って投資を行う方がリスクは高いのです。初めのうちの投資先は少なくてもいいので、徐々に知識を深め、納得したら投資の対象を広げていきましょう。
お金についてはしっかり者 ナオコ
最初から分散投資をしなくてもいいですか?
資産運用アドバイザー モリウチ
分散投資には投資先を分ける手法だけでなく「時期の分散投資」もあります。これは資金投入の時期をずらすことをいいます。
例えば元手資金120万円で、ある投資信託を購入したい場合に、一度に購入するのではなく毎月10万円ずつ、1年間にわたって購入することです。
お金についてはしっかり者 ナオコ
同じ商品なら、一度に買っても同じではないのでしょうか?
資産運用アドバイザー モリウチ
時間を分散させることで、投資商品の価格変動のリスクも分散できます。まずは少額から始められる「時期の分散投資」は、初心者の方に特におすすめです。
お金についてはしっかり者 ナオコ
なるほど。「分散」にもさまざまな方法があるのですね。

投資の失敗を回避するための大前提と対策

投資初心者の方は、始める前にリスク許容度を設定しておくと安心です。資金面のリスク許容度は次のように決めておきましょう。

資金が2割減ったらその月はそこでやめる
毎月〇万円以上は投資に割かない

ここまでは「損(まだ取り返せる)」、ここからは「失敗(投資終了)」と最初に決めておく、もしくは投資に回せる資金の上限を決めておくといいでしょう。そうすれは、ずるずると損を重ねて最終的に大失敗に陥る可能性が低くなります。

損切りの活用法と失敗例

損を最小限に抑えるために大切なのが、損切り(そんぎり)です。下落が続くとき、早めに損切りをすることで、損失を食い止めることができます。下落幅が大きくなると、損を確定する勇気が持てず、塩漬けになってしまいがちです。塩漬け株とは、含み損の大きい株のこと。これが増えると、資金の流動性がなくなり、取り返すことが難しくなってしまいます。

同時に、少しでも価格が下がったらすぐに損切りしてしまう「損切り過多」にも注意が必要です。どんな銘柄でも価格の下落と上昇を繰り返すものです。損切りラインが極端に短いと、損切りのマイナスばかりが積み重なってしまいます。リスクヘッジのはずが損ばかりで、投資の面白さも感じられないまま終わる人が多いです。嫌な思いだけしか残らない典型的な「失敗例」となります。投資をするなら、多少損をしていても「待てる」余裕が必要です。
お金についてはしっかり者 ナオコ
損切りはしなければいけないけど、しすぎても良くない・・・。
損切りを適切に行うのは随分レベルが高い気がします。
資産運用アドバイザー モリウチ
確かに、ちょっと混乱しそうですね。でもこれは、事前に「自分ルール」を作っておくことで解決できますよ。
お金についてはしっかり者 ナオコ
自分ルール?
資産運用アドバイザー モリウチ
例えば株式投資において、価格が「5%下がったら売る」といったルールです。逆に「5%の下げまでは売りを我慢する」と使うこともできます。
お金についてはしっかり者 ナオコ
なるほど。金額ではなく割合で考えると、どの銘柄にも一律に使えるのでいいですね。

投資先によってリスクは異なる


どこまでリスクをとれるのかは人によって違います。投資先によってリスクが異なるので、投資先ごとのリスクの大きさを知っておきましょう。

ハイリスク・ハイリターン:FX・株

特定の銘柄や通貨取引を行うため、価格変動の影響を直接受けます。また、レバレッジや信用取引を利用すれば、手持ち資金以上の取引を行うことができます。

ミドルリスク・ミドルリターン:不動産投資・太陽光発電投資・投資信託

不動産投資や太陽光発電投資は投資対象が収益(賃貸収入・売電収入)を生むので、リスクはやや抑えられます。投資信託も、投資家から集めた大きな資金を運用会社が複数の投資先に投資するため、投資家個人のリスクはそう大きくありません。

ローリスク・ローリターン:国債・保険・預貯金
運用率が低い代わりに、リスクは限りなく少ないです。ただし、リターンが物価上昇率を下回る可能性もあるので、物価上昇時には実質的な収益が出ない可能性があります。

リスクが大きいものは、リターンも大きい傾向にあります。失敗を回避したいなら、リスクが中または小、かつ、少額から投資できるものを選びましょう。

まとめ

投資は、損をしても挽回する余地があります。とはいえ、損を挽回するのは楽ではなく、損は小さいにこしたことはありません。そのためには事前の準備が大切です。
いくらを、どの手法に使うのか。リスクはどの程度許せるのか・・・。
投資を始める前にしっかり考えて安定的な投資を目指していきましょう。