投資

FXとは? メリットとデメリット・リスクを投資初心者向けに解説

FXとは、初心者に向けて簡単に言うと「通貨を売ったり買ったりして利益をだす」投資方法です。為替レートの変動を利用して通貨を売買することにより利益を出すことができます。

FXは、「証拠金取引」の仕組みにより、少ない資金で大きな投資ができる「レバレッジ」など数多くのメリットがあります。ただし、レバレッジを高くした場合には損失を被る可能性も大きくなりますので、「ハイリスク・ハイリターンの投資」であるといえるでしょう。

今回は、FXとは簡単にいえばどういうものなのか、FXのメリット、およびデメリット・リスクについてご紹介します。

FXとは?

「FX」は「Foreign Exchange」の略称で、日本語では「外国為替証拠金取引」となります。このFXとは簡単にいえば何なのかを最初に見ていきましょう。

FXとは通貨を売ったり買ったりして利益をだすこと

FXとは、さまざまな国の通貨を売ったり買ったりして利益をだすことです。日本の円をはじめとし、米ドルやユーロ、ポンド、中国の元、トルコのリラなどさまざまな通貨を売買することができます。

FXでは、2つの通貨の間での売買を行います。「日本円で米ドルを買う」など日本円を元手として他国の通貨が買えるのはもちろんのこととして、「米ドルで中国元を買う」「ユーロでリラを買う」などのことも全く同じようにできます。

○ なぜさまざまな通貨で売買できる?

日本人なら、手持ちの資金としてほとんどの人は日本円しか持っていないでしょう。「なのにどうして米ドルで中国元を買ったりできるのか」と不思議に思うかもしれません。

他国の通貨を元手にすることができるのは、FXでは、自分のお金で直接通貨を買うのではなく、自分のお金を「証拠金」としてお金を借り、借りたお金で通貨を買う「証拠金取引」を行うからです。FXの取引を始める際には、FX専用の取引業者や証券会社などに口座を開設し、口座にお金を預け入れます。口座に預け入れたお金は「証拠金」と呼ばれ、FX取引を行う際の担保となります。「米ドルで中国元を買う」場合には、最初に証拠金を担保として米ドルを借り、借りた米ドルで中国元を購入します。

このようにFXでは、証拠金を担保にお金を借りて取引を行うため、どのような通貨の間でも売買をすることができることになります。

為替ルートが変動することにより利益がでる

FXで利益がでるのは、お金の価値が常に変動するためです。たとえば、1ドル=100円のときに100円で1ドルを買い、1ヶ月後に1ドル=110円になっていた場合には、「10円の利益」が得られたことになります。10万円で1,000ドルを買い、同じように1ドル=110円になってドルを売れば、「1万円の利益」がでることになります。

このようにFXでは、為替ルートの変動を利用して利益を出します。

ただし、100円で買った1ドルが、1ヶ月後に1ドル=90円になってしまえば、「10円の損失」を被ったことになります。FXでは、利益を出すことができるかわりに損失を被ることがあるのは、いうまでもありません。

FXのメリット


上で紹介したようにFXでは、口座に預け入れたお金は、取引のための直接の資金になるのではなく、通貨の購入費用を借りるための証拠金として取り扱いがされます。そのために、自由度の高い取引が可能となり、以下のようなメリットがあります。

1. レバレッジを利用して少ない資金で大きな投資ができる

FXのメリットの第1は、「レバレッジ」を利用することにより少ない資金で大きな投資ができることです。

FXでは、証拠金を担保とし、お金を借りて取引を行います。レバレッジが「1倍」の場合には、証拠金と同額のお金を借りることができます。10万円の証拠金であれば、日本円なら10万円、1ドル=100円であったとしたら、米ドルなら1,000ドルまでの取引をすることができます。このレバレッジは、日本の多くのFX運営会社が「最大25倍」の設定としているため、10万円の証拠金で250万円までのお金を借りて取引ができることになります。1ドル=100円のときに円でドルを購入し、110円になって売却する上の例でいえば、レバレッジが25倍なら、10万円の証拠金で25,000ドルを購入し、110円になった時に売却すれば、証拠金より大きな25万円の利益を上げられることになります。

ただし、レバレッジが大きくなれば、利益が大きくなるかわりに損失も大きくなります。したがってレバレッジは、FXの大きなメリットであると同時に、デメリット・リスクであるともいえます。

2. 上昇トレンドだけでなく下降トレンドでも利益がだせる

上昇トレンドだけでなく、下降トレンドでも利益をだすことができるのもFXのメリットです。FXでは、手持ちの資金が通貨の直接の購入費用ではなく「証拠金」となるために、通貨の自由な売買が可能となっているからです。

たとえば、手持ちの資金が「円」であったとすると、手持ち資金を通貨の購入費用に直接当てる場合には、その円を元手に何かの通貨を「買う」ことしかできません。米ドルを買う場合なら、上で示した例のように、1ドルが100円⇒110円に値上がりする上昇トレンドのときだけ利益をだすことができます。

ところがFXでは、どのような通貨であれ証拠金の範囲でお金を借りることができます。したがって、手持ちの資金が日本円であっても、最初にドルを借り、それを「売る」こともできます。下降トレンドの局面なら、1ドル=100円のときに売った1ドルを、1ドル=90円になったときに買い戻せば、10円の利益がでることとなります。

このように、下降トレンドにおいて「売りから入る」ことは、FXならではの取引方法です。このような取引ができることから、FXでは景気が悪く、株式市場が低迷している場合でも利益をだすことができます。

3. スワップポイントにより金利の利益も期待できる

FXは、これまで紹介してきた売買による利益のほか、スワップポイントによる金利の利益が期待できることもメリットです。

スワップポイントとは、2つの通貨の金利差のことをいい、通貨にはそれぞれ国で定められた金利があるため、通貨を購入すれば、その国の金利を受け取れることになります。金利の低い国の通貨で金利が高い国の通貨を購入し、それを持ち続けた場合には、スワップポイントが利益として得られます。日本円で豪ドルを購入した場合には、日本(0.10%)とオーストラリアの金利(2.00%)の差の「1.90%」がスワップポイントとして得られるということです。低金利がつづいている日本の円で他の通貨を買う場合には、多くの場合にスワップポイントが得られることとなりますので、これはメリットだといえるでしょう。

ただし、金利が高い国の通貨で低い国の通貨を購入した場合には、逆に、スワップポイントを支払わなければいけなくなりますので注意しましょう。

FXのデメリットとリスク

FXのデメリット・リスクは、レバレッジを高く設定することにより、大きな利益を得られる可能性がある一方で、大きな損失を被る可能性もあるという点です。最悪の場合、元手のお金をすべて失ってしまうこともあります。したがって、FXはリターンが大きいかわりにリスクも大きい、「ハイリスク・ハイリターン」の投資であるといえるでしょう。

また、損益が一定水準以下になった場合、FX運営会社が「強制ロスカット」をし、損失を強制的に確定させて決済をするため、元手以上の損失を被ることは通常ありませんが、相場があまりにも急激に変動した場合には、預けた資産以上の損失が発生する場合もあるため注意が必要です。

まとめ

FXは、少ない資金で大きな投資をすることができ、また上昇トレンドでも下降トレンドでも利益を出すことができるなど、多くのメリットがあります。数千円などの少額から、スマホアプリで取引ができますので、「初心者でも始めやすい」といわれることもあります。
ただし、FXはハイリスク・ハイリターンの投資ですので、大きな損失を被ることがある可能性も忘れないようにしましょう。