ライフプランってどのようなものでしょうか?
今どのくらいのお金があり、今後どんな生活を送っていきたいか、そのためにはいくらお金が必要なのか。それを把握してシミュレーションし、対策を立てていくのがライフプランニングです。
理想とする生活を安心して送るために、目標や目安があると積極的に頑張れますよね。
ここではまず細かく考えず、これからどのようなお金がいつ必要になってくるかを把握していくことから始めましょう。
ライフイベント表を作ってみよう
ライフイベント表とは、何年に家族が何歳になり、どのようなライフイベントがあるかを整理するものです。なんとなくわかっているようなことでも、紙に書き出して整理すると新たな発見があるかもしれませんね。
まずは紙を用意してください。紙は縦に使うとして説明します。一番上にご家族のお名前を書いてその下に今の年齢を書きます。年齢の左端に西暦を書いておくとわかりやすいでしょう。今の年齢の下に一年後の年齢、更にその下に一年後…という要領でご家族の年齢も書いていきます。今後出産予定のお子様もいらっしゃれば書いてみましょう。一番年上の方の年齢が100歳になるくらいまで書くと、ご家族の生涯が見渡せるようになります。この紙を使って、お金の使い時を考えていきましょう!
下の図は記入例ですが、右の空欄にライフイベントや貯金が必要な時期、目標金額など、どんどん自由に書き込んでみてください。
A男 | B子 | C美 | D太郎 | ||
---|---|---|---|---|---|
2018 | 32 | 30 | 2 | ||
2019 | 33 | 31 | 3 | ||
2020 | 34 | 32 | 4 | 1 | |
2021 | 35 | 33 | 5 | 2 | |
2022 | 36 | 34 | 6 | 3 | |
2023 | 37 | 35 | 7 | 4 |
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2086 | 100 | 98 | 75 | 72 |
人生の3大資金とは
人生に大きくかかってくる3大資金として挙げられるのが
1. 子供の教育資金
2. 住宅費用
3. 老後費用
です。それぞれについて、お金の計画を考えてみましょう。
ピークがわかりやすく、比較的計画が立てやすい
ライフイベント表を作ってまず一番にピークが分かりやすいのが、子供の教育資金です。
幼稚園(または保育園)から大学と、進路の選択が国公立か私立かによって学費は変わってきますが、やはりピークは大学に在学する4年間(特に入学金がある初年度)です。
学費の例として、幼稚園(私立3年)、小学校~高校(公立)、大学(私立文系・自宅から通学)で約1260万円(内大学が620万円)かかるとされています。
やはり大学の費用が多くを占めるのがわかりますね。
大学在学時には年収の中から学費を払うことが厳しくなるので、大学入学時を目指して貯蓄をしておくことが一般的です。注意することは、子供が複数の場合はピークが重なったり、長く続いたりすることです。子供一人一人に対しての対策を心がけましょう。
また、ピーク時の両親の年齢にも着目しましょう。年収が少なくなる時期であったり、定年に差し掛かったりする場合もあります。
貯蓄は、小学校卒業までの期間が比較的貯めやすい時期になります。この間に給与から先取りをしておく等仕組みが出来ていると安心ですね。積み立てを利用するのもいいでしょう。また、オススメは児童手当を使わずに貯めておくことです。所得制限に該当しない場合、0歳から中学卒業までに198万円貯めることができます(第1・2子)。
購入タイミングはご家族それぞれ。購入しないという選択も
働いている会社や職種によっては、転勤が多く定住地が定まりづらかったり、実家との距離や子供の進学を考慮したりと、いつ購入するかはご家族の事情によりさまざまなのが住宅を購入するタイミングです。
いつ頃、どんな住居に住みたいか?今のままを継続するのか?今一度考えてみましょう。
もちろん、賃貸に住み続け購入には踏み切らないという選択肢もあるでしょう。
購入する場合には、多くの方が住宅ローンを組むことになりますが、ローンの借入期間に注意が必要です。なるべく定年退職までにローン完済した方がいいですね。しかしローンの返済期間が短ければ当然月々の返済額は多くなり、負担は増えます。
目安として例を挙げると、2000万円の借り入れをし、金利1.5%で返済していく場合(元利均等、ボーナス払いなし)月々の返済額は下記の通りとなります。
住宅ローン | 月々返済額 | 返済総額 |
---|---|---|
10年返済 | 179,582円 | 約2155万円 |
20年返済 | 96,509円 | 約2317万円 |
30年返済 | 69,024円 | 約2485万円 |
また、ローンの返済額は年収の20%に収める方が家計が厳しくならずに済みますので、物件の購入金額もよく考えることが必要です。
資金準備で多くあるのは、住宅購入にかかってくる諸費用(各種税金やローン保証料、保険などおおよそ物件の5~10%)や頭金を自己資金で準備し、物件をローンで購入するというパターンです。購入時期を決めたら、ローン返済期間とともに自己資金分の貯蓄、リフォーム費用を積み立てる計画を立てておくと安心です。
長い老後に向けて、計画的に年金を準備
老後のことはまだまだ先、と思いがちですが、ゆとりある時期にこそ準備を始めておくと安心ですね。
公的年金の額だけでは生活が厳しくなる可能性が高く、また受給開始年齢も上がっていくであろう今後、何らかの対策を立てておくことが大事です。
貯蓄はもちろん運用で時間をかけて増やしていくことも検討してみましょう。
老後費用を運用しながら蓄えていくのには、確定拠出年金が最も代表的な制度です。
企業で加入できる場合もありますが、制度が拡充して、個人型確定拠出年金(通称iDeCo)にはほとんど全ての20歳以上の方が入れるようになりました。60歳まで払い出しができませんが、拠出掛金が少額(5000円)から設定でき、変更も可能なので、安心して始めることができますね。
収入についても考えてみましょう
会社員の方の場合、今の給与は今後上がっていくのか、もしくは減ることがあるのか、退職金の有無やおおよその額も大きく関係します。そして大事なのは配偶者の収入についてです。今、共働きで余裕がある場合でも、出産や育児時期に収入が減る、もしくは退職を余儀なくされることもあるかもしれません。
また、子育てが落ち着いたら、現状の扶養内から正社員になり収入アップが見込めるなど、アイデアを共有しておくといいですね。
ここまで、ライフイベントや、多くかかっていくお金について考えてみました。いつ頃大きなお金が必要か、今からできることが何か、見えてきたのではないでしょうか。
もしかすると、教育費の負担をしながらローンも返済していくというような厳しい時期もあるかもしれません。するとそこに向けて今の家計を見直し、貯蓄にお金を分けていく必要に気づきます。
そして、今日考えてみたライフイベント通りに人生が進んでいかない場合も多くあるでしょうし、今回挙げた3大資金の他にもお金のかかることは色々とあります。
しかし、大きな流れをつかむことで目標が設定出来ますし、時々ライフプランを見直していけば状況が変化しても柔軟に対応ができるようになります。
それぞれの立場で、考え方、認識が違うこともあります。それは当たり前ですし、今の時点で絶対どちらかに合わせる必要はないのです。お互いの考え方を理解することがとても大切です。よく話し合っていけば、新しいアイデアを生み出すこともできますね。
・ 平成28年度 子供の学習費調査|文部科学省
・ 私立大学等の平成28年度入学者に係る学生納付金等調査結果について|文部科学省
・ 平成28年度学生生活調査結果|日本学生支援機構